ちょっと気になったので
アスペクトレシオの歴史を調べて見ました。
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Original Silent Film(1.33)時代
まだ音声トラックは無くサイレント。
35mmフィルムの4つの穴(パーフォレーション)ごとに1コマ収めたため4:3の1.33になる。
そして、Motion Picture Patent Companyが1909 Standardsとして規定したのが
・35mm film
・Edison Perforations
・image:4perfs high
というもので
しばらく1.33の時代が続く。
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Academy Ratio(1.37)時代
トーキー映画の出現によって1929年には音声をシンクロさせるための音声トラックを35mmに焼きこんだため横が削られた。
その後、1932年にAcademy of Motion Picture Arts & Sciences(映画芸術科学アカデミー)が更に下を削って1.33に近づけ1937年にAcademy Ratio(1.37)が生まれ業界標準となる。
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WIDE SCREEN時代
TVの台頭を恐れた映画業界は4:3のTVではできないワイド画面を売りにしようと
横長のワイドスクリーンを開発しはじめる。ここからワイドスクリーンの規格が乱立し始める。
1952年にFred Wallerによって開発されたシステムでCinerama(アスペクト2.59)が生まれる。
35mmカメラ三台を使い、フィルムの6個の穴を使った縦長の映像をプロジェクター3台で同期させ、湾曲したスクリーンに上映することで今まで見たことの無い視野角147度に及ぶ横長の画面を実現した。
代表作は
「The WONDERFULWORLD OF THE BROTHERS GRIMM」
「HOW THE WEST WAS WON」1962
など
そしてHenri Chretienによって1920年ごろにすでに開発されていたAnamorphoscopeの
2:1のAnamorphic lensを元に20thCentury FOXはCinemaScope(2.35)
を開発。これが有名ないわゆるシネスコである。
代表作は
「The Robe」1953
結果的にこの方式が大勝利を収め、多くの大手スタジオはCinemascopeを取り入れ始める。
■Vistavision(1.85)
そしてParamountは独自のVistavision(1.85)を開発する。
これは従来の35mmフィルムを8つの穴分横に使った方式で
グレインを減らすことに成功した。
代表作は
「Irving Berlin's White Christmas」1954
「The Ten Commandment(邦題 十戒)」1956
またアルフレッドヒッチコックは
「To CATCH A THIEF」
「VERTIGO」
「NORTH BY NORTHWEST」
などVistaVisionで数多くの作品を残している。
その後更に色々な方式が開発される。
■Superscope
35mmの上下をトリミングしたため画質は悪い。Super35の原型となった方式。
■Technirama(2.35)
VistaVisionと同じく35mmを横使いし、アナモルフィックレンズで撮影する方式。
■Panavision(2.35)
米Panavision社のアナモルフィックレンズで撮影される方式。
一時期は非常にポピュラーであった。
■SUPER 35
35mmフィルムのサウンドトラック部分まで使い、フィルムの左右幅一杯まで使った方式のため画質が有利。アナモルフィックレンズで撮影し左右圧縮で上映フィルムに焼きこむ。
■その他
Techniscope,Cinemiracle,Vistaramaなどなど多数存在。
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70mm時代
そしてTodd AOのMike Toddによって70mmフィルムが開発される。
1カメラ1プロジェクターで大画面を実現できるこのフォーマットは画期的であった。
代表作は
「OKLAHOMA」1955
「AROUND THE WORLD IN 80DAYS」
「SOUTH PACIFIC」
「THE SOUND OF MUSIC」
「LAWRENCE OF ARABIA」1962
1959年にアメリカMGMがUltra Panavision 70を開発する。
MGM 65システムで作られた作品「BEN-HUR」
を撮るためのものでこれは2.76という巨大なものだった。
■IMAX
1970年に70mmフィルムを4:3で使うことで更なる高解像度を実現したIMAXが登場。
IMAXシアターという独自の劇場で上映する。
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デジタルHD規格16:9(1.78)~4k
こうして歴史を紐解いてみても現在主流であるデジタルHD16:9(1.78)はこの中に存在し無い。
デジタルHDフォーマットが16:9に決まった理由はひどく合理的な話で
エンジニアであるKerns H Powersが1.33と2.35のどちらも表示できる
いいとこ取りのアスペクトとして16:9(1.78)を提唱したということらしい。
1.33はPillerboxで横に黒
2.35はLetterboxで上下に黒
を入れればどっちも流せるから。
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4kがコンシューマに登場したけどまだ主流は1080HD。
弊社もすでに2012年に12kの仕事を経験済みで
REDは数年後には28kだっけ?まで行くって言ってるし
一体どこまで行くんでしょうね。
海外のソースやらWikiやら色々参考にしたので間違ってたらスイマセン。
海外のソースやらWikiやら色々参考にしたので間違ってたらスイマセン。
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